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新海誠監督作品の繋がりとは?『秒速5センチメートル』と乗り物の描き方を考察


こんにちは、永井です!

今回は、『すずめの戸締まり』で話題の、新海誠監督作品についてお話しようと思います。

突然ですけど、ぼくが新海誠監督の映画を見ていて、すごく印象的だなあと思っていることがあるんです。それは乗り物。電車とバイクの描き方なんです。

印象的な理由は、電車とバイクが非常に対照的なものとして描かれているから。
今日は新海誠監督の作品をいくつかピックアップしてお話したいと思います。
(長くなっちゃったので、本記事は前編です!)


もしかしたら、最新作『すずめの戸締まり』にも繋がりがある部分かもしれないので、良かったら読んでいってくださいね^^

ぼくは明日、『すずめの戸締まり』観に行くよ!

 

新海誠監督作品と乗り物と繋がり

新海誠監督の作品に登場する、バイクと電車。
実際の電車は、みんなで乗るもの、バイクは一人で乗るものという印象だと思うんだけど、新海誠監督は、真逆の描き方をしているんです。

作品の中では、電車は「孤独」の象徴として、バイクは「一体」の象徴として描かれているよう見えるんですよね。電車(孤独)は一人ぼっちで他の人と分け隔てられているイメージである一方、バイク(一体)はみんなと一緒であるというイメージです。

 

『秒速5センチメートル』乗り物を考察

新海誠監督作品で、一番分かりやすく電車とバイクが象徴的に描かれているのは、『秒速5センチメートル』という作品です。これは3本の短編からなっていて、主人公の貴樹くんが、小中学性の時を描いているのが1作目『桜花抄』、高校生が2作目『コスモナウト』、社会人を描いているのが3作目『秒速5センチメートル』です。

『桜花抄』と電車

『桜花抄』では、貴樹くんが明里ちゃんと離れ離れになり、電車に乗って会いにいく。本来であれば、電車はこの2人を繋げるはずのものであるはずなのに、この2人の距離をどんどん隔てさせていくような印象で電車が描かれているんですよね。
とにかく遅延するんですよ。一駅進むごとに電車が止まってしまうんですよね。そしてどんどん約束の時刻も過ぎ、明里ちゃんももういなくなってしまっているかもしれないという、非常に孤独に苛まされるアイテムとして電車は描かれているんです。

『コスモナウト』とバイク

一方で、『コスモナウト』とになると、バイクが出てきます。貴樹くんと、貴樹くんに想いを寄せる女の子が出てくる。バイクに乗ると、2人の距離が一気に縮まるんです。このバイクで2人がつながっているんですね。2人はこのバイクで通学をしている共通点があるわけですけど、このバイクという存在がないと2人はつながっていることはできないという描き方をしていて、このバイクがあることによって、男の子と女の子が「一体感」を醸成できるようなものとして描いている。

 

『秒速5センチメートル』と電車

『秒速5センチメートル』はラストシーンがめちゃくちゃ印象的。踏切の前に貴樹くんが立ち塞がっていて、電車が通り過ぎていくシーン。ここが2人の決定的な別れになるっていう印象で『秒速5センチメートル』は締めくくられています。
その2人を隔たせているのは電車であるという印象を受けるわけです。

これらのことから、新海誠監督は「電車」と「バイク」という2つの乗り物を、他の映画ではあまりないくらい、すごく強いイメージで描かれていることが分かると思います。

 

乗り物の描き方に注目!

みなさんもよかったら、乗り物がどう描かれているかな?という視点で、今後の新海誠監督の作品を観てみると、何か発見があるんじゃないかなと思います。

まだぼくは最新作の『すずめの戸締まり』は見ていないんだけど、こう言った視点でも見ていきたいし、また感想なども、Youtubeやブログに上げていきたいと思います!

 

『君の名は。』と『天気の子』でも、象徴的なバイクのシーンが出てくるので、その描き方ついてはまたあらためて!

 

動画では、『君の名は。』と『天気の子』についても
まとめてお話していますので、ぜひご覧ください!↓↓


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映画『キャラクター』一番やばい恐怖シーンから考察

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こんにちは、ながいです!
今回は、永井聡監督の映画『キャラクター』について書いていこうと思います。

『キャラクター』は、セカオワのFukaseさんが、シリアルキラーの役をやっていて、次々に人を殺していくんですけど、、いや〜怖かったですね。
今回話したいのは、『キャラクター』の中から、ぼくが一番怖かったシーンについてです!

このブログを読んでくれているあなたが一番恐怖したシーンはどこですか?

 

映画『キャラクター』で一番やばい恐怖シーン

ぼくが映画『キャラクター』で一番怖かったシーンは、物語の中盤。
主人公の菅田将暉さんが演じる「山城」と、高畑充希さん演じる「夏実」が話をしているシーンなんですよ。

妊娠の定期検診の帰り道です。

夏実「男の子と女の子、どっちがいい?」

山城「わかってんの?」

夏実「でもね、内緒にしておく。
   びっくりさせたいから…。」

怖い。
観た方は共感いただけたでしょうか…。

 

「殺されてしまうかも」というフラグ

この映画に出てくるFukaseさん演じるシリアルキラー「両角」は、4人家族ばかりを狙う殺人鬼なんですよね。
で、そこへきて先ほどの会話ですよ。

 

(ぼくの内心↓)
びっくりさせたいから、内緒にしておく?

びっくりする性別ってなに…?

あ・・・双子・・・
4人家族になっちゃったこれ…。。

 

っていうのが分かって、この家族も最後に殺されてしまうのか?っていうフラグが立っているわけですよ。もうぼくは、このフラグにゾクゾクしちゃった。

 

フラグで恐怖を感じる理由

ぼくが、ここまで感情揺さぶられて怖がった理由は1つで、「ギャップ」なんですよね。

「殺されちゃうかもフラグ」が立ったのって、お腹の子どものことを話している幸せなシーンじゃないですか。で、その後に「先生」ってシリアルキラーの両角が来るんですよ。ふたりが話している地下駐車場に。(しかも地下駐車場ってすぐ事件起きるじゃん?)

分かってしまっているからこそ「こわっ…」ってなる。幸せな会話と実際のギャップがある方が、ぼくらは怖い思いをするんですよね。


例えばさ、マルボロを吸うやつばかり狙うシリアルキラーが居たとして、次にマルボロで一服している警察官が映し出されたら、どう思いますか?「ああこの人殺されるんだ」って特にそれ以上何も思わないわけです。


やっぱりそこに、「すごく楽しそうなシーンなのに実は怖い」とか「すごい喜ばしいシーンなのに実は怖い」とかあると、ぼくたちの感情は動くんですよね。

 

『キャラクター』はフラグを楽しめ

というわけで、今回は非常に怖い映画、『キャラクター』の中でも一番の怖いシーンについて。そして、フラグの立て方についてもお話をさせていただきました!


あなたが『キャラクター』の中で一番怖かったシーンはどこでしょうか?
もしくは、今まで観てきた映画やドラマの中で、このフラグ刺さった!っていうシーンがあったら、ぜひコメントで教えてください^^

ではでは、最後までお読みくださり、ありがとうございました!

 

 

 

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『竜とそばかすの姫』 父親はなぜ逃げた?など疑問を徹底解説

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こんにちは、ながいです!

前回のブログで、『竜とそばかすの姫』は、恋愛や夢を叶える話ではなく、あくまで、「母と娘」のストーリーとして観ると面白いよっていうお話をしました。今回はさらに深く、登場人物やシーンについても触れていきたいと思います!

 

前回の記事がまだの方はぜひ読んでみてください↓

cinema-nagai.net

 

一度観たけどよくわからなかったとか、つまらなかったという方。ぜひ一緒に『竜とそばかすの姫』のシーンを振り返り、疑問を解決していっていただけると嬉しいです^^

 

 

『竜とそばかすの姫』のストーリー設計

 

鈴のお母さんは、鈴が幼い頃、溺れる少年を助けるために川へ飛び込み、死んでしまいました。

鈴にとっては、「あの少年を助けることが、私と生きることよりも大事だったんだろうか?」と考え続け、そのことをトラウマとして抱え生きていたんですよね。

『竜とそばかすの姫』では、このトラウマが解決されていく設計になっているのです。

それを描くために欠かせないのは、そこに出てくる登場人物です。

 

『竜とそばかすの姫』と登場人物

『竜とそばかすの姫』に出てくる登場人物たちは、鈴がトラウマとして抱える問題に気づかせるための存在という視点で物語を見ていきます。

そうすることで、「母と娘」のストーリーという軸で作品を観ることができるのでおすすめです!

そんな登場人物たちの中でも特に、鈴がお母さんとの問題に気づいていくのに欠かせない人物が2人います。それが、「しのぶ」「竜」です。

 

『竜とそばかすの姫』と「しのぶ」

鈴の幼馴染として登場する「しのぶ」。すずが恋心を抱いていたことや、6歳の頃プロポーズを受けたというエピソードが出てきます。でも彼は、すずの幼馴染でもなく、恋愛相手でもありません。

じゃあ何かっていうと、「母親」です。しのぶはすずの「母親」としての役割をずっと担ってきているんです

 

「しのぶ=すずの母親役」がわかるシーン

しのぶがすずの母親としての役割であることが、分かりやすく表現されているシーンがあります。それは、鈴の同級生ルカとふたりで家の縁側で話している場面。

 

「ちょっと変なことを言うけど、私その人(しのぶ)のことを、なんだか、すずちゃんのお母さんみたいだなーって、ずっと思ってたんだ。
だって、何もないのに『大丈夫?』とか『平気?』とか、いっつも聞いてるでしょ?
男子なのに不思議だよね、しのぶくんて。」

って、ルカが鈴に言うんです。

 

実際、しのぶはすずのところに来ては「大丈夫?」「なんかあった?」「なんかあったら言えよ」ばっかり言うんですね。
何を思ってそういうことを言ってきてるのかなっていうと、ルカの言う通り、しのぶはすずのお母さんを背負ってるからなんです。

母親っぽい雰囲気だけでは伝わりにくいので、しのぶ以外の人にこういうセリフを言わせることで、「そういうことか」って分かるように設計しているんだと思うんです。

すずがアンベイルをした理由

すずはUの世界で、かなり危険な行為とも言える、アンベイルをして素顔で歌を歌いましたよね。その時、すずはハッとした表情になり、そのすぐ後に、お母さんが見ず知らずの少年を助けにいく川の場面が映し出されます。ここですずがハッとしたのは、自分も『竜』という見ず知らずの子を助けるために、めちゃくちゃリスキーなことをしているじゃないかって気づいたから

つまり、この作品では「すずのお母さんと助けた少年」の関係を「すずと竜」として描いているんです。すずに母親と同じ体験をさせることによって、お母さんは決して鈴のことが大切じゃないから見捨てたわけではないし、人間にはそうせずにはいられない瞬間があるっていうことに気づかせたんですね。「竜」という存在は、すずにお母さんと同じ体験をさせてあげるための存在だったわけです。

ちなみにこのシーン、身バレを恐れず表現することを推奨するのはどうなの?という批判があちこちでされてるんだけど、そういうことじゃないんです。すずが、見ず知らずの人を守らざるを得ないっていう体験がこの映画には必要だったのではないでしょうか。

 

竜の父親はなぜ逃げたのか

 

すずが現実世界での竜(恵という14歳の少年)とその弟を、虐待をする父親から救いにいくシーンがあります。この時のすずは、すでに自身が「母親」になっているんです。それは、竜兄弟と鈴、虐待をする父親が対峙した場面で分かります。

父親はすずに対しても暴力を振るい、顔から血が流れているすずが竜兄弟を守っている。それを見た父親は唸った末に、バツのわるい顔をして腰を抜かして逃げていくわけです。

これは、父親が、すずの中に竜の亡くなった母親(自分の妻)を投影した。そして、家族を守るべき自分が暴力をふるっている状況を妻に見られたような気分になって逃げていったんですよね。

すずが、大人の手助けなく一人で助けにいかなければならない、大事なシーンでしたね。

 

『竜とそばかすの姫』はおもしろい!

現実的に考えると、ツッコミどころが多く感じてしまうかもしれない『竜とそばかすの姫』。ストーリーの本筋を「母と子の物語」に絞ると、面白く観られるのではないでしょうか。

今回お話した内容から分かることは、『竜とそばかすの姫』はファンタジーが含んでいるということ。なので、そのように捉えてみるのも、楽しく観られるポイントだと思います。

これらのことを理解した上で、ひとつひとつのセリフとか、キャラクターの役割を見て、全体のストーリーを捉えていくと、すごく感動的な映画になっているとぼくは思います。

皆さんはこの映画をどう観ましたか?

 

ではでは、
最後までお読みくださりありがとうございました!

 

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【考察】『竜とそばかすの姫』酷評はなぜ?本当のストーリーを解説!

こんにちは、ながいです!

今回は、2021年公開、細田守監督の『竜とそばかすの姫』について書いていきます。

 

こんにちは、ながいです!

今回は、2021年公開、細田守監督の『竜とそばかすの姫』について書いていきます。

まず言っておきたいのは、ぼくはこの作品が大好きということ。ただ、レビューではかなり批判的な意見も多いんですよね。

今回は、批判的なレビューでは全く触れられていなかった、『竜とそばかすの姫』を面白く観られる方法を、ぼくなりの視点でお伝えしていきます。

みなさんは、『竜とそばかすの姫』が本当に見せたいストーリーはたったひとつであるということに気づきましたか?

 

『竜とそばかすの姫』酷評の理由

前段として、どのような批判的な意見があったかについて触れていきたいと思います。
ざっくりまとめると、そもそもの脚本やストーリー、社会問題的なことへの描き方への批判が多いようでした。

・鈴がUの世界で歌手として有名になっていく過程がない
・高校生の鈴が竜をひとりで助けに行かせるのはどうなの
・鈴が素顔を晒すシーンが、匿名でいられる場所を否定することになるのでは

などなど。

その場面を切り取ると、確かにその通り。
同じように感じた方は多いかもしれません。

 

『竜とそばかすの姫』が描いているたった一つのこと

ぼくがこの作品を観て感じたのは、たった1つのことしか描いていないと言うこと。
それは、鈴と、亡くなった鈴の母、その二人の「母娘の物語」でしかないと言うことです。

物語の序盤に、自室にこもって鈴が、亡くなった母親への恨みつらみを書き殴るシーンがあります。

「お母さんはなぜ、私を置いて川に入ったのか」
「なぜ、私と生きるより、名前も知らないその子を助けることを選んだのか」
「なぜ、私は一人ぼっちなのか」

『竜とそばかすの姫』は、このなぜ」に対する答えがわかるっていう物語なんです。
批判レビューで挙げられていたことを含む、他の登場人物や出来事は、この真実に気づくための材料にすぎないっていう風にぼくは思ったんです。

 

『竜とそばかすの姫』おもしろいよ

死んでしまったお母さんとのことなので、答えが分かるって、すごく難しいですよね。
でもこれが、最終的に「そういうことだったんだ…!」と分かるような仕掛けになっているんです。
主人公と他の登場人物との関わりも、そういう風に思って観ると、この映画はすごくおもしろいと思います。

一度観たけどつまらなかった人には、ぜひ今回の話を思い出しつつ、もう一度『竜とそばかすの姫』を観ていただきたい!

次回、ぼくが実際に『竜とそばかすの姫』をどう観たかを具体的にしてUP予定です。

ではでは、最後まで読んでくださりありがとうございました!

 

動画版はこちらからご覧いただけます↓↓
(ぼくが顔出しで喋ってます^^)

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『仮面ライダーBLACK SUN』キャストが際立つ演出の秘密

 

こんにちは、ながいです!


『仮面ライダーBLACK SUN』が、アマゾンプライムで先日(2022.10.28)公開になったの、皆さんご存じですか?

ぼくは、仮面ライダーって子どもの頃に観たきり。実は、全然興味を持っていなかったんですが、今回に限っては、ぼく的にかなり注目しています

その理由は、この作品は白石和彌監督の元で撮られているからです

 

『仮面ライダーBLACK SUN』について


もともと、1988年のテレビ番組として『仮面ライダーBLACK SUN』っていうのがあったらしいんですよね。

そちらの人気があったので、そのリブート版*1として、アマゾンプライムビデオ限定配信することになったらしいです。

 

『仮面ライダーBLACK SUN』はR18指定

仮面ライダーシリーズって、基本的には子どもが見るもので、中には大人のファンもいるかなーと思ってました。順番的に。ぼくが観ていたのは幼稚園の時くらいで、仮面ライダースーパー1とか。(年齢がバレますね!)

 

でも今回の『仮面ライダーBLACK SUN』って、R18指定なんです。だから、基本的に大人が観るものとして作られている。その点がおもしろいと思ったのと、もう一つ。やっぱり、白石和彌監督が作ったってこと。

 

キャストが際立つ白石和彌監督演出の力

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白石監督って、脚本をほとんど書かないんです。
今までの作品が共同脚本として出ている作品はあるんですけど、監督と脚本の両方をやっている作品はなかったと思います。基本的には脚本は別の人が書いて、白石監督は監督をやるパターンです。
最近だと、監督脚本を同じ人がやっていることも多い。例えば、『すばらしき世界』の西川美和監督は、本当に脚本のスペシャリスト。映画を撮った後に、原作小説まで書いてしまうくらい、文章のストーリーがとても強い監督だったりします。

 

一方、白石和彌監督は、あくまで監督としてのスペシャリスト。白石監督の映画って、ストーリーはシンプルなものが多いんですよ。(ぼくのイメージです)

代表的な映画でいうと、『凶悪』とか、『彼女がその名を知らない鳥たち』とか、『孤狼の血』『孤狼の血 LEVEL2』。最新のものだと、阿部サダヲさんが出てる『死刑にいたる病』全体を通してストーリーが凝ってるかって言ったらそうでもないですよね。こんなオチだろうなっていうのはなんとなく分かったり。だけど楽しい。もう、「先が見たい!!!」って。オチの見当がついてても観たくなっちゃう。

 

その理由は何かっていうと、やっぱり、白石和彌監督の演出の力がすごく強いからだと思うんです。演出の中でも特に、役者の個性を際立たせるっていうところに関しては、とても優れているとぼくは思っています。

 

『凶悪』のキャストから見る白石和彌監督の味つけ

白石監督の初期の映画、長編第2作目の『凶悪』。
その中で、リリーフランキーさんとピエール瀧さんが出てくるんです。(主人公は山田孝之さん)この2人が悪役としているのが、めっちゃいい。ピエール滝さんがチンピラ役として出てるんですが、その手の役をするのは珍しくない。
だけど、他の作品のピエール瀧さんよりも、かなり際立っていて、共感できるキャラクターでもないにも関わらず、魅力的だから見ちゃうんですよね。そこにリリーフランキーさんも出てきて、それもまた、「嫌なやつだな、もっと見たい」ってなっちゃう。
役者の力が際立つんですよね。

 

この人こんな役もやるんだ、っていう意外性ではなくて、役者と合っている役の中で、さらにそのキャラクターに味付けをする。結果、すごく面白い作品に仕上げることが、白石監督はとてもうまい!

最新作の『死刑にいたる病』でも、阿部サダヲさんの魅力がすごいですよ。

『仮面ライダーBLACK SUN』必見

という訳で、いわゆる仮面ライダーシリーズっていう、由緒正しいものの系譜の中に、白石和彌監督スパイスを入れた時、どうなるか。

仮面ライダーファンじゃなかったぼくでも、やっぱり観たいって思う。
今回、R18指定で大人が観て楽しめる仮面ライダーになってるんじゃないかなって思ったので白石和彌監督について話をしました。

 

では、また次回!

 

動画版はこちら↓

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*1:古い映画作品を元に新しい解釈を加え作り直した作品